Unreal Engine 4がNvidiaのGameworks VRをサポートすることを決定。VR SLIがサポートされる。
Unreal Engine 4がNvidiaのGameworks VRをサポートすることを決定し、そのためVR SLIがサポートされる、という記事。
以下、抄訳と解説ごっちゃ。
Epic GamesがNvidiaと手を組んでGameworks VRについて様々な協力をしていくことを決め、それにはVR SLIが含まれる、と。
VR SLIとは、マルチGPUにおいて、今まで主にフレームごとに、GPUに描画を割り当てて動く絵を作り出していたのに対して、VRに特化したSLIとし て、片目ごとの描画をマルチGPUに担当させることで「劇的にパフォーマンスを向上させる」機能。つまり、今までの描画方法ではフレームごとにGPUに担 当させるから、どうしてもFPSは下がってしまう(フレームを分割してGPUに担当させる方法もあるし、FPSが下がってしまうといっても、普通にゲーム をする分には十分な60FPSとかを保っているのだけど)。だが、VRで没入感とかVR酔いの低減とかに重要なのは高FPSであること。実際、 Oculus Riftは90Hzだし、Playstation VRも擬似的に120Hzを作りだそうとしている。そこで重要になってくるのがこのVR SLI機能。GPUに片目ごとの描画に集中させることで、ものすごい高FPSの描画が可能になるというわけ。
今までは、マルチGPUは上記のような理由でVRには不向きだと言われていたんだけど、VR SLIのおかげで、マルチGPUの方がリッチな体験ができるようになるかもしれない。
リンク先には、Gameworks VRでSLIするとどんな風になるのか、というのをテストしている動画もある。
ゲームエンジンがサポートを表明して、広がっていくのは良いことだ。Gameworks VRには、他にも色々機能があるから、VRの準備のためにはとても良いと思う。
だけど、もう一つのGPUメーカーであるAMDも実は自社でほとんど同様のLiquidVRという機能を作っている。今回は、Epic GamesはNvidiaを選んで対応すると宣言したわけだけど、今後はどうなるのだろう?と。AMDだけには対応しない、というのも現実的ではないわけで、いずれ対応するだろうけれど、VRの潮目は近い。2016年はVRが本格的に普及を始める年だ。そのときに、雪崩を打って各社がGameworks VRへの対応をすすめ、Nvidiaに全部かっさらわれてしまうということもあり得るだろう。そうなると、VRでのリードプラットフォームは Geforceということになってしまう。