VR中心、雑記ブログ

ブログ名は適当。あとで変えるかも。

2016年のPC技術はどんなものが到来するか?概観

wccftech.com

以下、翻訳。

2016:AMDNvidia、PCゲーミング、そしてVRにとってとても重要な年

2015年はそそくさとその時を締めようとしていて、我々はまだホリデーのまどろみの中を楽しんでいるが、AMDNvidiaIntel、そしてその他の多くのテクノロジーの巨人達は準備に余念が無いようだ。つまり、最新・最高の世界のテクノロジーについての、世界最大の展示会のである。CES。ラスベガスで行われる、国際家庭用電化製品ショーは全てのテクノロジーカンパニーにとって、毎年何かをスタートさせたい場所だ。そして我々、WCCFTechも新年を迎えるに当たって、最新・最高について学ぶことは、大好きなことだ。そして2016年がどんな年になるかってことが、どんどん形をなしていく!

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来年はここ十年のPCゲーミングとテクノロジーについて、本当に極めて重要な年になる。3つのメジャーなPCハードウェアメーカーがゲームをまったく変えてしまうようなラインナップを次世代のPCハードウェアとして用意しているためである。そしてバーチャルリアリティ分野の全てのビッグネームがここ数年発展させてきたものを大衆に届ける。だから、もしあなたがハードウェア分野の熱心なファンだったら、もうすぐ終わりを迎える2015年のホリデーを終わらせる、十分な理由を見つけ出すだろう。
 

2016年、バーチャルリアリティの年

2016年はほぼ20年ぶりとなる、VR HMD(ヘッドマウントディスプレイ)のビッグネームが出てくるウェーブの年になるだろう。2016年の第1四半期にOculusがコンシューマーバージョンのRift VRヘッドセットを世界に送り出す。そしてそのすぐあとの4月に、HTCはViveヘッドセットをローンチする。HTCが世界最大のPCゲーム配信プラットフォームの持ち主である、Valveと協力して開発してきたものだ。ソニーもまた自家製のVRヘッドセットを2016年後半に、リビングルームゲーム機であるPlaystation 4に向けて、導入する予定だ。

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テクノロジー業界の本気の取り組みが、これをVR HMDの20年来の久しぶりのウェーブとするのは、その1995年の先行者である、任天堂によるバーチャルボーイ以来のことだからだ。90年代、VR出発の失敗原因となった全ての理由は、バーチャルボーイに集約されている。これはVR市場に乗り込む、最初の本気の取り組みだった。残念ながら、90年代のことだから、ディスプレイのピクセル密度はまったくもって十分とはほど遠かったし、リフレッシュレートは、没入体験をさせるには十分な速さとは言えなかった。そしてその当時のプロセッサーは、現実から遠く離れているものからさらにそれに似ているとも言えないビジュアル体験をなんとかまやかしでも作り上げるにも、絶望的にパワーが足りなかった。

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しかしながら、VRを市場からもの凄い早さで消し去った20年前のこれらの副作用は、我々からは遠いものとなった。我々は信じられないほど、豊かで鮮やかなディスプレイテクノロジーを持っている。この発展は、ほんの数年前に始まったに過ぎない競争の激しいスマートフォン業界を導いた、業界たちの大きくて影響力の強いテクノロジー企業たちのおかげによっている。加えて、ビジュアルコンピューティング業界のリーダーであるNvidiaAMDなどはもうすぐ、ついにほとんど現実と区別がつかないビジュアル体験を走らせることのできる、十分なコンピューティングホースパワーのGPUを持つに到ることだろう。そしてその時は2016年だ。それゆえ、スター達の全員は、ようやく20年来の夢を来年現実のものとするため、整列しだしたようだ。
 

2016年、次世代ゲーム体験の年

来年はVRのことだけではない、伝統的なPCゲーミングがとてつもなく大きな一歩前進を進める時になる。PCゲーム業界は素早く、PCハードウェアの世代は、伝統的なゲーム機のペースよりもずっとキビキビと進む。しかしながら、来年はハードウェア企業がPCハードウェアとディスプレイ技術のいくつかのマイルストーンにとうとう到達するようだ。つまり、PCゲームにおけるヴィジュアルの厳守と複雑性の最大の推進力となってきたもののことである。
 
まず来たる年のディスプレイ技術における重要なマイルストーンについて話そう。
 

High Dynamic RangeディスプレイとDisplayPort 1.3が現実のようなイメージとより高いリフレッシュレートをもたらす

HDRはより豊かな、より強烈な、現実のような色をスクリーンに運んでくる技術である。最大の色のレンジ・輝度のレベル(鮮やかさの尺度)には、現実的な限界があった。それは今日のほとんどのディスプレイが実行できるレベルの限界だ。数少ない、スペクトラムの本当にトップエンドのプロ用のモニター以外のことだが。言い換えれば、ほとんどの現在発売されているモニターはなんとか現実世界のイメージをまねしようと頑張っているということだ、なぜならそれらが実行できる限られたカラーの範囲と最大輝度が、我々を取り巻く現実世界に匹敵出来ないからだ。

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こう考えて欲しい、もしもあなたがどんなに良いカメラを持っていたとしても、窓外の景色の写真を撮ったら、ほとんどのディスプレイは、あなたが自身で単純に窓の外を見た景色と同じような、鮮やかなイメージを提供することができない。しかしHDRディスプレイは世界への窓を開けようと狙っている。そしてそのゴールは窓の外を実際に見るのと、それをディスプレイの上で見るのとの違いが極小で、我々にはその違いが知覚できないほどになることだ。

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HDR表示が可能なディスプレイはプロ用と考えられていて、モニタースペクトラムの本当にトップエンドのものだと思われているが、それらが、ついに来年、大衆に届き始める。そしてこのシフトは全てのビジュアルコンテンツの消費、写真を見ることや、映画を観ること、ゲームをプレイすること、に影響を与えるだろう。しかしより高い解像度とHDRのモニターはそれをサポートする十分な帯域を持った、次世代のインターフェイスを必要とすることを忘れてはならない。

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そのようにしてDisplayPort 1.3は、必要性を満たすために来ようとしている。DP 1.3は新しい規格というわけではない、2014年に発表されている。しかしながら、ディスプレイメーカーは現時点に到るまで、DP 1.3を導入する必要性を感じていなかった。そしてそれが2016年にモニターメーカーがついにこのインターフェイスを製品ラインに加える時が来た理由だ。DP 1.3は帯域幅を32.4Gbpsまで押し上げる、より高い解像度をさらに高いリフレッシュレートで走らせるのに十分な帯域だ。一本のケーブルで5Kでの60Hz、そして4Kの120Hzまで可能なのだ。
 
つまり、これがハードウェアスペクトラムの一方の端をカバーするもの、スクリーン上で起こることについてだ。しかし我々はまだスクリーンの下でどんな革命が起きようとしているのかについては話していない。コンピュータにこれらのピクセルを生み出させる働きをする、もう一面のことだ。それがNvidiaAMDによって推し進められているグラフィックプロセッサーテクノロジーだ。
 

2016年、次世代グラフィックプロセッサーの年――NvidiaPascalAMDのArctic Islands

来年はAMDのGCNとNvidiaのKepler GPUが2012年に発表されて以来の、本当の次世代のGPUが市場に登場する年だ。これは今までよりもはるかに長い期間、GPU空間において我々が目撃した、 同じプロセスノードで過ごされた期間だ。プロセスノードがムーアの法則として知られるものについての進行を決定する。この法則は同じサイズの集積回路は2年ごとに2倍の複雑性(トランジスターの数)を持つようになるというものだ。悲しいことに、4年かかったが、来年ついに変わる。

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2016年には、AMDNvidiaはともに次世代のArctic IslandsとPascal GPUラインナップを導入する。両方のラインナップはもうだいぶ古びた28nm製造プロセスの代わりに、14nm/16nmプロセスノードを使って生産される。小さくなったサイズに加えて、AMDNvidiaの製造パートナーの14nmと16nmテクノロジーはFinFETテクノロジーを採用する。これは製造における画期的な発展だ。最初に2012年にIntelによって導入された。これはチップのスピードを上げながら、電力効率については改善するというものだ。

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グラフィックアーキテクチャの進化は別にしても、28nmから14nm/16nmへのジャンプだけでも技術者に同じチップサイズで2倍のトランジスターを置くということをもたらすことになる。来年の両者のグラフィックプロセッサーは、事実上、「パフォーマンスが2倍になる」ということだ。そしてそれはPCゲーミングにとって、4Kでの60フレームがシングルGPUで可能になるというだけでなく、PCゲーマーにとって利用しやすくなるということだ。
 
次世代のFinFETノードに加えて、来年のGPUはHBMと呼ばれる次世代のグラフィックスメモリーテクノロジーも採用する。High Bandwidth Memoryの略だ。この革新的なメモリーアーキテクチャーはチップを積層構造にすることで、電力効率を最大化しながら、チップの専有面積を小さくし、パフォーマンスを向上させる。

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PascalとArctic Islandsグラフィックアーキテクチャは次世代のモバイルデバイスからゲーミングデスクトップ、ノートパソコン、そしてプロ用のアプリケーションまでに力を与えるだろう。任天堂次世代ゲーム機であるNXが来年に登場し、AMDのArctic Island GCNアーキテクチャーを採用したセミカスタムSOCを導入するだろうという信憑性の高い証拠もある。そしてAMDはFreeSyncテクノロジーのサポートを拡大しようとしている。これはゲームにおけるティアリングとラグを完全になくすために、モニターに変化するリフレッシュを行わせるものだ。これをHDMIを通じてTVにもたらす予定だが、これは間違いなく任天堂次世代ゲーム機に影響を受けて導入されるものだろう。
 

2016年、DirectX 12ゲームとIntel及びAMDによるハイパフォーマンスマルチコアCPUの年

我々はMicrosoftDirectX 12によるローレベルグラフィックスAPIが動作しているのを今年は垣間見ることができた。しかし2016年はついにDirectX 12が有効化されたゲームが登場するだろう。DirectX 12、Vulkan、そしてそれらに先行したAMDのMantleのようなローレベルグラフィックスAPIは、ゲーム開発者がDX11やOpenGL時代のAPIで直面していた多くの問題について取り組もうとしている。彼らが解決しようとして、そして成功裏に対処できた1つの大きな問題はCPUに関するものだ。
 
グラフィック処理ユニットは現代のゲームにおける、ビジュアルについて必要なコンピューテーションのほとんどすべてを担っている。その中にはGPUが本質的に効率的ではない仕事もある。GPUは莫大な並列エンジンで膨大な量の並列的なコンピュータの仕事を行うのに適している。もしもあなたが数百万のピクセルを毎秒数十回処理する必要があるならば、並列エンジンがまったく完全な仕事をしてくれるだろう。それがGPUが広く知られ、現代の並列プロセッサーに使われている理由だ。

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CPUは数千のコアでできたGPUと違って、ほんの少しの実行エンジンで出来ている。CPUはGPUとはいくつかの重要な領域で異なる。一般的に、デコードと分岐予測リソースをより多く持っていて、それはより複雑な分枝コードに取り組む傾向があるからだ。一方、GPUは実行リソースに重点を置いている。なぜならばGPUは比較的に、より複雑でない、もっと並列的なデータを扱うからだ。これは同様に、直列コードの複雑性に関わりを持つプロセッサーのフロントエンドとは違って、実行エンジンに比重が置かれることとなる。
 
これがゲームのような並列及び直列コードに満ちたアプリケーションにおいて、CPUとGPUが一緒に協力して働くことが重要な理由だ。DirectX 12の進化はこの関係を良好にさせることに比重が置かれている。特に、多くのコア数を持つCPUが使われるケースにおいて。

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これがより多くのコア数を持つマルチコアCPUがより重要な役割をゲームにおいて演じる理由だ。来年の重要な2つのハードウェアローンチに期待する理由になる。
 

AMDのZENとIntelBroadwell-E

IntelBroadwell-Eファミリーのフラッグシップとして、初めて10コアのデスクトップCPUを来年ローンチすることになる。より興味深いのは、Intelが2010年に導入された最初の6コアデスクトップCPUである「Gulftown」以来、6コアから8コアのハイエンドへジャンプするのに4年と3世代の製品が必要だったということだ。しかし今回は、Intelは8コアのHaswell-Eから10コアのBroadwell-Eまで1世代の製品ですぐにジャンプしている。これを次世代のローレベルAPIに対応するためだ、とも言えるし、あるいはAMDへの牽制だとも言える。AMDIntelの業界における唯一の競争者であり、ついにハイエンドCPUに来年再参入してくる。
 
Zenは疑いなく、AMDにとって来年の最も重要な製品だ。会社のハイエンドデスクトップCPU分野への再参入。およそ5年間の空席のあと、まったく新しい、白紙の状態からの、マイクロアーキテクチャである。Zenのデザインは、多くの作品を作ったJim KellerというCPU設計者に率いられて2012年に始まっている。彼はAMDの歴史上最も成功した製品であるAthlonXPAthlon64プロセッサーをデザインしている。

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ZenはAMDにとってこの十年で最も重要なCPUアーキテクチャである、そしてここ数年での最も大きな設計上のパフォーマンスアップを達成している。AMDは多くのコア数のSKUとDDR4のサポート、来たるAM4ソケットをベースとしたまったく新しいマザーボードセットを持ってして、来年、Zenのハイエンドデスクトップ分野への投入を計画している。
 
 
重要なバーチャルリアリティの来年のローンチ、加えてPascal、Arctic Islands、Broadwell-E、Zen、そしてDirectX 12ゲームなどなど。我々はテクノロジーとゲーマーにとって2016年よりも興奮する年を考えられない。

 ということです。来年は本当にPCゲーマーにとって革新的な年になりそうですね。楽しみ。